矢倉① 脇システム
こんにちは。ゆーしゃんです。
今回は矢倉シリーズ第一弾、脇システムについて研究していきます。
下図を基本図とします。昔の脇システムは8八玉・2二玉型が普通なのですが、最新の当システムは7九玉・3一玉型が主流だからです。
今回は昔ながらの脇システムの基本形を見ていきます。
基本図以下
8八玉 2二玉 9六歩 1四歩 1六歩 9四歩 6四角 同銀 2六銀 6九角
6九角に対して4八飛は7五歩が厳しい。以下、6八金寄、7六歩、同銀、7五歩、8五銀、8七角成、同玉、8五飛で先手苦しいです。
1五歩 同歩 同銀 同香 同香 4七角成 1三歩 同桂 4一角 1四歩
同香 1二歩 6三角成 5三金
①4一馬 8六歩 同銀 5二銀 5一馬 4二銀 同馬 同金 3五歩 4六角までやや後手指しやすい
②7四馬 7三銀 8三香 4二飛 7五馬 6四金 9七馬 9五歩 同歩 4一飛まで後手勝ちやすい
①の変化は2013年1月7日に行われた第38期棋王戦挑戦者決定二番勝負第2局
渡辺明竜王 対 羽生善治三冠(当時)の棋譜が参考になります。
②の変化はその実戦をもとに研究した変化です。
7三銀に代えて6三銀も有力で以下8三香、4二飛、8四馬、7三桂、7五歩、6五歩、7四歩、7二飛と進みますが、これは先手も十分です。
②の変化は、局面は互角ですが実際のところ後手が勝ちやすいような気がします。なぜなら後手は9七の馬を攻めながら敵玉を攻める楽しみがあるからです。対して後手の4七の馬は先手にとってプレッシャーですね。
よって、私は8八玉・2二玉型の脇システムは後手に分があると考えます。どの変化も先手が攻めるのに苦労している印象です。その原因は
・8八玉型のせいで、6九角から後手に馬を作られて抑え込まれる。先手は4一角と打って馬を作っても、馬が狭い。
・相手の2二玉型が端の攻めに強い。
この2点が挙げられます。
このような背景があって、プロの将棋では主流が7九玉・3一玉型に移ったのだと考えられます。
次回以降も矢倉 脇システムについて研究していきます。