高校名人の将棋ブログ

楽しみながら、強くなる。

角換わり腰掛銀①後手4二玉-6三銀型

こんにちは、ゆーしゃんです。

 

今回は、角換わり腰掛銀の変化を取り上げていきます。

 

さて、下図がテーマにある4二玉-6三銀型です。

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この形を4二玉-6三銀型と呼ぶことにします。

プロの公式戦では、

・2019年2月5日 C級1組10回戦

 藤井聡七段vs近藤誠五段

・2020年7月9日 棋聖戦第三局

 藤井七段vs渡辺明棋聖

・2020年7月28日 A級順位戦2回戦

 羽生九段vs佐藤天九段

(いずれも当時の段位)

などで指されている形です。

 

図から、4五桂と仕掛けていきます。

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図以下の指し手

△2二銀 ▲3五歩 △同歩 ▲6五歩 

△同歩 ▲5五銀 △3三桂 ▲1八角

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この角が狙いの一着。次に▲3三桂成△同銀

▲6三角成△同金▲7二銀を狙っていますね。

それを防ぐために、後手は①△8二飛

②△3六角の2つが考えられます。

 

①△8二飛

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図以下の指し手

▲2四歩 △同歩 ▲同飛 △8六歩

▲同銀 △2三金 ▲3三桂成 △同玉 

▲2九飛

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藤井聡-近藤誠戦はここから△2四歩▲4五角

△9五歩▲同歩△4四歩▲2三角成△同玉

▲4五歩△8四桂と進みました。

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また、羽生-佐藤天戦は図から△2五歩▲同飛

△8四桂▲6七金△2四金▲2九飛△2五歩

と進みました。

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いずれの変化も評価値は100~150ぐらい。

ただ、△8四桂が先手玉を直接攻める

好打になるため、後手も戦えると思います。

 

局面を戻しますが、私が先手を持ったら、

△8六歩の攻めには▲同歩と応じたいです。

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一例を挙げると、△2三金▲6四歩△5二銀

▲2九飛△2五歩▲7五歩。

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▲7五歩がなかなかの攻めです。7六の地点に桂を打たれないのが強みです。

(動く将棋盤①)

 

以上が①△8二飛ですが、私の見解としては

後手が苦心する展開になるのではないかと考えています。

薄い玉形なのに先手に一方的に攻められるのはつらいですよね。

そこで、もう一つの候補手を見ていきます。

 

②△3六角

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藤井聡-渡辺明戦は図の一手が指されました。

これが渡辺棋聖の研究だったのでしょう。

以下、▲3六同角△同歩▲5三桂成△同金

▲6二角△6一桂▲6四歩△5二銀▲2四歩

△同歩▲5三角成△同桂▲5四銀△2五桂

と進みました。

▲5三桂成は驚きの一着ですが、△同玉には

▲3四歩とし、将来の▲3五角など、先手に

楽しみが多い局面です。よって▲5三桂成には

△同金が最善。

評価値は150ぐらい。先手の主張は駒得。

後手の主張は玉の広さや△8六歩からの玉頭攻めです。

いい勝負でしょう。

 

ちなみに下図で、

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私なら▲2四歩とせずに単に▲5三角成とします。

△同桂▲5四銀に対して後手からの△2五桂がありません。

あとからだと▲2四歩が入るかどうか微妙ですが、

どちらを選ぶかは好みによるでしょう。

(動く将棋盤②)

 

②△3六角の変化なら後手も戦えそうです。

 

動く将棋盤はこちらから。

いかがだったでしょうか。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。