【朝日杯】戦慄！羽生九段と青嶋六段の熱戦譜を解説
こんにちは、ゆーしゃんです。
今回は、本日行われた朝日杯二次予選 羽生九段対青嶋六段の将棋を解説しようと思います。
それでは参りましょう。
解説
先手:羽生九段 後手:青嶋六段
羽生-青嶋戦は序盤から波乱が起こります。
図の局面から４九飛、３八馬、４六飛、３七馬・・・で千日手になりました。
指し直し局
先手:青嶋六段 後手:羽生九段
指し直し局は、青嶋六段のゴキゲン中飛車に対して羽生九段の2枚銀急戦で始まりました。
早くも図の局面で激しい展開が繰り広げられています。
上図の局面で一度形勢判断をしてみると、
駒の損得は、互角。玉の固さは互角。駒の働きは、後手の大駒は働いているのに対して、先手の飛車は全く働いていないため、後手良し。また、後手から６六歩や２四角などと指したい手が多い。これらより、後手の羽生九段が有利な局面と言えるでしょう。
図から羽生九段は４二金打と指しました。
自玉を固くして、有利を拡大しようという意図でしょう。
図では羽生九段が有利を拡大しつつある局面です。
先手の狙いは４二とではなく、４三銀成。以下、２二玉、４二竜、同金、３一角、１二玉、２二金、１三玉、２一金、２四玉、４二角成以下の長手数の詰みを狙っています。
しかし後手の羽生九段はすべてを見抜いて２二玉と指します。
これが落ち着いた一手で、以下４三銀不成に１三玉として驚くべきことに後手玉が安全になっています。
図では羽生九段が勝ちの局面ですが、人間的には難解な局面となっています。
図で５六歩が悪手でした。
代えて、５九飛、５八歩、５六金、同玉、５八飛成、５七角（逆王手）、４六金、５五玉、５七飛成、６四玉、５三竜、７四玉、７二角で勝ちでした。
しかしながら、秒読みの局面で逆王手を含む変化をすべて読み切るのは大変ですね。
一方、５六歩の局面で青嶋六段も対応を誤ります。
図の局面で５六同玉としてしまいました。
代えて、６六玉なら急に先手玉が安泰になり、先手優勢でした。
５六同玉と取ったことにより、先手玉に詰みが生じています。
手順を示すと、４五金、４七玉、４九飛
①４八歩、５七金、同玉、５九飛成以下詰み。
②４八角、４六金以下詰み。
しかし、羽生九段は４九飛と打たず、４三金としてしまいました。
一瞬の隙を見逃さなかった青嶋六段。
２二角成以下後手玉を詰みに討ち取り、青嶋六段の勝ちになりました。
本局は、羽生九段の優位を広げる指し回しが光りましたが、最終盤で青嶋六段が相手を楽にさせない一手を指し続け、ついに逆転に成功しました。
どちらのミスも両者が死闘を尽くした証ですし、人間味のある面白い将棋でした。
本局に勝利した青嶋六段は、次戦で郷田九段と対局します。
次局もハイレベルな対局になるでしょうし、楽しみです。
