矢倉③ 脇システム
こんにちは。ゆーしゃんです。
今回も矢倉 脇システムについて研究していこうと思います。
前々回の記事
矢倉① 脇システム - ゆーしゃん (hatenablog.com)
前回の記事
矢倉② 脇システム - ゆーしゃん (hatenablog.com)
さて、脇システムの8八玉・2二玉をみてきましたが、
先手に思わしい手順がありませんでした。
そこで、今回は先手もアレンジを加えます。
ここで6四角が従来の指し方ですが、同銀と取られて
玉頭にプレッシャーがかかります。
そもそも、先手がわざわざそんなリスクを負ってまで
角を取る必要があるのかどうか。
そういう発想のもと、最近プロ間でちょくちょく見かける指し方が単に2六銀。
今回はこれに焦点をあてて研究していこうと思います。
上図以下
2六銀 4六角 同歩 4七角 1五歩 同歩 同香 1三歩
3五歩 同歩 4五歩 3六角成 4四歩 同銀 2四歩 同歩
2五歩
上で示した手順が
2020年9月20日に行われた第70回NHK杯 2回戦第6局 ▲畠山鎮八段 − △豊島将之竜王
の手順です。
上図で
①2五同歩は同銀、2七歩、3六銀、2八歩成、4五歩、3三銀、
3五銀、3九飛、4四歩で7一角などの狙いがあり先手良し。
②3三桂は3七歩、4五馬、1七桂で互角。(やや後手良し?)
③4六歩が畠山・豊島戦。以下3七銀、2五馬、4五歩、
3三銀、4六銀※、8六歩、同銀、1五馬、3五銀、3四歩、
4四銀、8三香、4三銀成、同金と進んだが、
そこで2三歩と指した手が疑問手だった。
代えて7七金寄なら互角の戦いだった。(実戦は後手豊島勝ち)
※4六銀に代えて2五飛、同歩、4六銀もあった。以下
4九飛、3五銀、3四歩、2三歩、同玉、2四歩、同銀、同銀、同玉、
3八銀(好手)、4五飛成、3七桂、3六竜、2七角、2六竜、7一角、
4六歩、2六角成、同歩、2五飛、3三玉、2一飛成、2七歩成、同銀、
4七歩成で互角(私はやや後手持ち)。
しかし、④3四金という手が私の研究手。以下
3七歩、4五馬、2四歩、同金、3六歩、2七歩、
4八飛、4七歩で後手が有利。
要するにこの攻めは④の3四金が好手で馬の手厚さに
抑え込まれる、というのが私なりの結論です。
戻ってこの局面。ここで△1三歩以外にも変化はあります。
①1五同香、同銀、3六角成、2七香、4六馬、4八飛、3六馬、2八飛
で千日手濃厚=後手満足
②1四歩、同香、同香、1五歩、3六角成、3七銀、6九馬※1、6八金引※2、
同馬、同金、1五香、4五歩、7五歩、4四歩、4二金引
で互角(やや後手指しやすい)
※1 4七馬は1四歩、3五香、1三歩成、同桂、1四歩、3七香成、1八飛、
1二歩、1九香で先手良し。
※2 1四歩も有力だが、8三香、6八金引、8六歩、同銀、5九馬で後手満足。
結論としては、
やはり先手がよくなる手順が少ない、ということですね。
どの変化も相手の馬が手厚すぎる。前回も、前々回もそうでしたが。
私は小学生の頃、この脇システムの定跡に違和感を感じていました。
わざわざ馬を作らせてまで攻める必要があるのか・・・。
あまりにも非効率なのではないか。
そんな不思議な思いに駆られた一つの思い出深い定跡だからこそ、
今またこうやってこの定跡を突きつめています。
そうすることで、何か新しいものが見えてくるのかもしれないし・・・。