高校名人の将棋ブログ

楽しみながら、強くなる。

矢倉③ 脇システム

こんにちは。ゆーしゃんです。

 

今回も矢倉 脇システムについて研究していこうと思います。

 

前々回の記事

矢倉① 脇システム - ゆーしゃん (hatenablog.com)

前回の記事

 矢倉② 脇システム - ゆーしゃん (hatenablog.com)

 

さて、脇システムの8八玉・2二玉をみてきましたが、

先手に思わしい手順がありませんでした。

そこで、今回は先手もアレンジを加えます。

f:id:ryushinzinou:20210517164349p:plain

ここで6四角が従来の指し方ですが、同銀と取られて

玉頭にプレッシャーがかかります。

そもそも、先手がわざわざそんなリスクを負ってまで

角を取る必要があるのかどうか。

そういう発想のもと、最近プロ間でちょくちょく見かける指し方が単に2六銀

今回はこれに焦点をあてて研究していこうと思います。

f:id:ryushinzinou:20210517164349p:plain

上図以下

2六銀 4六角 同歩 4七角 1五歩 同歩 同香 1三歩

3五歩 同歩 4五歩 3六角成 4四歩 同銀 2四歩 同歩

2五歩

 

上で示した手順が

2020年9月20日に行われた第70回NHK杯 2回戦第6局 ▲畠山鎮八段 − △豊島将之竜王

の手順です。

f:id:ryushinzinou:20210517171255p:plain

上図で

①2五同歩は同銀、2七歩、3六銀、2八歩成、4五歩、3三銀、

3五銀、3九飛、4四歩で7一角などの狙いがあり先手良し。

 

②3三桂は3七歩、4五馬、1七桂で互角。(やや後手良し?)

 

③4六歩が畠山・豊島戦。以下3七銀、2五馬、4五歩、

3三銀、4六銀※、8六歩、同銀、1五馬、3五銀、3四歩、

4四銀、8三香、4三銀成、同金と進んだが、

そこで2三歩と指した手が疑問手だった。

代えて7七金寄なら互角の戦いだった。(実戦は後手豊島勝ち)

※4六銀に代えて2五飛、同歩、4六銀もあった。以下

4九飛、3五銀、3四歩、2三歩、同玉、2四歩、同銀、同銀、同玉、

3八銀(好手)、4五飛成、3七桂、3六竜、2七角、2六竜、7一角、

4六歩、2六角成、同歩、2五飛、3三玉、2一飛成、2七歩成、同銀、

4七歩成で互角(私はやや後手持ち)。

 

しかし、④3四金という手が私の研究手。以下

3七歩、4五馬、2四歩、同金、3六歩、2七歩、

4八飛、4七歩で後手が有利。

 

 

要するにこの攻めは④の3四金が好手で馬の手厚さに

抑え込まれる、というのが私なりの結論です。

 

f:id:ryushinzinou:20210517173214p:plain


戻ってこの局面。ここで△1三歩以外にも変化はあります。

①1五同香、同銀、3六角成、2七香、4六馬、4八飛、3六馬、2八飛

千日手濃厚=後手満足

②1四歩、同香、同香、1五歩、3六角成、3七銀、6九馬※1、6八金引※2、

同馬、同金、1五香、4五歩、7五歩、4四歩、4二金引

で互角(やや後手指しやすい)

※1 4七馬は1四歩、3五香、1三歩成、同桂、1四歩、3七香成、1八飛、

1二歩、1九香で先手良し。

※2 1四歩も有力だが、8三香、6八金引、8六歩、同銀、5九馬で後手満足。

 

 

結論としては、

やはり先手がよくなる手順が少ない、ということですね。

どの変化も相手の馬が手厚すぎる。前回も、前々回もそうでしたが。

 

私は小学生の頃、この脇システムの定跡に違和感を感じていました。

わざわざ馬を作らせてまで攻める必要があるのか・・・。

あまりにも非効率なのではないか。

 

そんな不思議な思いに駆られた一つの思い出深い定跡だからこそ、

今またこうやってこの定跡を突きつめています。

そうすることで、何か新しいものが見えてくるのかもしれないし・・・。