矢倉④ 脇システム 渡辺名人がタイトル戦で見せた新構想
こんにちは、ゆーしゃんです。
今回も矢倉の脇システムについて研究していきます。
矢倉研究①
矢倉① 脇システム - ゆーしゃんの将棋研究 (hatenablog.com)
矢倉研究②
矢倉② 脇システム - ゆーしゃんの将棋研究 (hatenablog.com)
矢倉研究③(前回)
矢倉③ 脇システム - ゆーしゃんの将棋研究 (hatenablog.com)
今回は8八玉・2二玉型の補足をしていこうと思います。
今回は先手の6四角に対して6四同歩とする一手についてみていきます。
以下、6四同歩、2六銀に6五歩、同歩、7五歩が狙いの手順です。
これが近年、渡辺名人がタイトル戦で指してから知られるようになった構想です。
最近の将棋では、
2020年6月8日に行われた棋聖戦第一局 藤井聡太七段対渡辺棋聖(当時)
があります。今回はこの将棋をベースに研究していきます。
上図以下
7五同歩 3九角 3八飛 7五角成 1五歩 6五馬
1四歩 8六歩 同歩 6六歩 5七金 8五歩 同歩 6四馬
3七角
ここで渡辺棋聖が9三桂と指しましたが、以下6六銀、5五歩、同銀、
6三馬 6六銀 8一飛、6七金寄、7四銀、7六歩と藤井七段が
うまくまとめ上げました(結果は藤井勝ち)。
そこで代案策として、9三桂に代えて5五歩を考えてみます。
上図以下
5五歩 同角 同馬 同歩 9五歩 同歩 9三桂
6六銀 8五桂 8六歩 5九角
こうなれば後手やや良しだと思います。
5五歩に対して同馬がまずかったようで、6六金とすべきてした。
それなら、以下9五歩、同歩、同香、9六歩、9三桂が目一杯の攻め。
9五歩と香を取れば、8五桂、8七歩、7七桂成、同金、8六歩、同歩、
同馬として、これは攻めが続く形です。
9五歩とせずに1三歩成と攻めあうべきでしょう。
以下、同香は同香成、同玉に8七香が好手。先手もやれる形です。
なので、1三歩成、同桂、1四歩、1二歩ないし8五桂
とするのがよいでしょう。
これは互角ながら、やはり先手が苦労しそうな展開でしょうか。
矢倉①~④ 脇システム 8八玉・2二玉型まとめ
・6九角から4七角成と馬を作らせることで先手からの攻めが
制約されてしまう。
・相手の2二玉型が先手の端攻めの威力を下げている。
しかし、先手番には切り札があります。
それが次回以降研究していく7九玉・3一玉型です。
これなら6九角の筋はないし、
相手玉も3一玉型で端が薄くなります。